chiraura by bowk

Tech系触ってみたブログ

クラウド戦国時代の動向 webサイトから見てみた編

 

f:id:bowk:20190402210452p:plainこんにちは、bowkです。

各社クラウドベンダーの動向を、各webサイトのトップページから読み解きます。

トップページには一番伝えたいメッセージを凝縮しています。

比較は以下の6社!(gartnerによるとIaaSの重要6社)

aws (amazon)

・Azure (Microsoft)

GCP (Google)

IBM Cloud

Oracle Cloud

・Alibaba Cloud

それではスタート!

 

aws

 

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awsトップページ2019/4/2

アイキャッチ

ちょうど今回がaws INOVATEカンファレンス、SUMMIT開催前だったこともあり、告知がトップページとなりました。

イベント名からわかる通り、awsはinovativeなイメージを強調しています。未だに新たな顧客を囲い込む手を全く緩めません。コミュニティから爆発的に盛り上がったawsは、ネット上に多数のナレッジがあり、新規ユーザーの疑問はほぼググれば解決します。

これからもコミュニティを広げ、みんなのawsクラウドawsを変える気はありません。

無料アカウントや、サポートがいつでも始められる位置に。クラウドの持つ柔軟かつスピード感のあるサービスに応じた構図だと思います。

awsのページが基準になります。

・タブ

上部のタブは製品からスタート。awsについての説明はほぼありません。

世間のクラウドのイメージ=awsと言っても良いほどawsデファクトなため、awsに関しては説明不要の判断かと思います。製品名が一番に来ているのも、製品名と機能が結びつくほど有名で製品名のダイレクトな検索が多いんだと思います。

 

【Azure】

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Azureトップページ2019/4/2

アイキャッチ

顧客によりそったメッセージを第一に強調。かつてのMicrosoftのイメージとは程遠いシンプルでわかりやすいデザイン。問い合わせのフリーダイアルまで用意しているところから、本気で日本にローカライズし、市場を取りに来ている姿勢が伺えます。amazonの異常な顧客志向に習い、Azureも外資の身勝手なソフトウェア企業から顧客第一主義を謳う企業に仲間入りするようです。

・タブ

概要の項目が一番目に登場。天下のMicrosoftも丁寧に説明。かつてのAzureのイメージのままからアップデートされていない方も多いんだと思います。

awsとはほぼ並びは同じですが、ソリューションと製品の順序が逆です。これはAzureの製品名がそこまで浸透せず、Azureで実現できるかを検索するケースが多いんだと思います。office365を使っていて、そのままAzureを検討する流れにも合うかと思います。

 

GCP

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GCPトップページ2019/4/2

アイキャッチ

次の一手。次世代という強いメッセージを強調することに特化しています。

やはり、awsの圧倒的なシェアや、Azureのmicrosoftとしての信頼性と比較すると、GCPエンタープライズの領域ではまだ浮足だった存在のようです。

アーリーアダプターに対してアプローチするのがしばらくの方針のようです。

・タブ

Googleを選ぶ理由が一番目です。あくまでGoogleの選ぶことがクールと捉えるgeekたちへのメッセージのようです。ソリューションとサービスの順番はazureと同じ。

面白いのは「はじめに」がはじめに来ていないこと。

 

IBM Cloud】

 

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IBMトップページ2019/4/2

アイキャッチ

以前のIBMのウェブサイトの雰囲気とは違うように感じます。他社とは違うクラウドを強調したいようです。ビジネスのためのクラウド。たしかにIBMメインフレーム等のミッションクリティカルな領域のイメージが強いので、エンタープライズ領域においては新参の他社ベンダーとの差別化を図りたいようです。Watsonも認知度が高いサービスなのでやはりトップページにAIの文字が。

・タブ

一番目のCloudは、本ページへのリンクでした。他に特筆すべきことはありません。

 

Oracle Cloud】

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Oracleトップページ2019/4/2

アイキャッチ

完全に統合されたクラウド。オンプレミスとクラウドが統合されているのか、アプリケーションレイヤーからインフラレイヤーまで統合されているのかわかりませんが、Oracleではまるっと包括的な提案ができることを強みとしているようです。

やはりOracleといえばDBですが、今までのDBを全面に押し出したイメージとは異なり、IaaS,PaaS,SaaSフルスタックでのサービス群を提供していることをさらに強調しています。またなぜOracleを選ぶのかと、他社との比較はさすがラリー・エリソンといったところです。

・タブ

今までとは全く違い、アプリケーション・プラットフォーム・インフラ・リソースと並んでいます。OracleはあまりDBほど知名度は高くないですが、エンタープライズ領域でのアプリケーションを多く保有しています。ただ、SaaSからIaaSのレイヤーまで包括的な契約をするのはそれなりの企業規模となるかと思いますので、あくまでエンタープライズ重視の方針は変更ないようです。英語表記が多く残るところを見ると、そこまでローカライズが進んでいるようには感じません。

 

【Alibaba Cloud】

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alibabaトップページ2019/4/2

アイキャッチ

東京リージョンオープン告知がメイン。alibabaは中国発の新規参入企業なため、日本においては他のクラウドと比較すると最もブランド力が弱く信頼性が低くなるので、日本への本格参入をアピールしたいようです。そしてBCPをアピールする珍しいケースです。alibabaの低価格路線と比較的クラウド導入障壁が低いBCP対策でまずは小規模でもモメンタムを意識しているように感じます。

そしてオリンピックとクラウドパートナーであることも特徴で強くアピールしています。背景にはalibabaのブランドイメージ向上があるかと思います。IT業界においての情報セキュリティは常に重要かつ難しいテーマです。中国批判する意図はありませんが、実際問題として中国のtech系企業は各国政府調達要件から外れたり、バックドアによる情報の抽出などネガティブなイメージはあります。ブランドイメージの向上がトッププライオリティのようです。

・タブ

特筆事項はありません。

 

【まとめ】

aws (amazon)

完全にデファクト。これからもコミュニティを広げていく。

・Azure (Microsoft)

顧客志向への転換。aws対抗有力。

GCP (Google)

クールでテッキーな存在。

IBM Cloud

エンタープライズ向け。基幹系やりたい。watsonは広告塔。

Oracle Cloud

エンタープライズ向け。幅広いレイヤーでの包括サービス群でbig deal希望。

・Alibaba Cloud

日本への本格参入。ブランド向上。

 

 こうして見てみると、それぞれの立場やシェアや強み・弱みが良く現れていると思います。次回以降ではより個別にフォーカスしていきます。

 

ではでは。